ネットワーク渡辺スタッフの日常徒然コラム

昔も今も人は変わらず・・・

2017/07/01

こんにちは。巡回監査部2課の天野です。

梅雨のシーズンも終わりに近づきましたが、まだまだジメっとした気候が続いております今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか?

私の中で最近のニュースの衝撃的なものといえば将棋界の藤井聡太棋士の連勝記録更新もそうですが、将棋の事でいえば将棋界の現役名人、佐藤天彦名人が将棋コンピューターソフトのPonanzaに2戦2敗したことです。実は将棋だけでなく囲碁でもgoogleが開発したAlpha Goが「世界最強の棋士」柯潔に3戦3勝しております。

少し前までプロ棋士の相手にもならなかったコンピューターが最強棋士に勝つようになってきたように、その他の部門でも技術の発展が目覚ましくなっているなと感じます。

さて、話は変わりますが、清少納言と能書家の三蹟の一人である藤原行成とのエピソードにこんなものがあります。

清少納言のもとへやってきた行成は、しばらく話をしていましたが、何かと理由をつけて早々と帰ってしまいました。翌朝、「鶏の鳴き声にせかされてしまって」と言い訳の文をよこした行成に、清少納言は「うそおっしゃい。中国の函谷関(かんこくかん)の故事のような、鶏の空鳴きでしょう」と答えます。

「函谷関の故事」というのは、中国の史記にある孟嘗君(もうしょうくん)の話です。秦国に入って捕まった孟嘗君が逃げるとき、一番鶏が鳴くまで開かない函谷関の関所を、部下に鶏の鳴き真似をさせて開けさせたのでした。
清少納言は「どうせあなたの言い訳でしょう」と言いたかったのです。それに対して行成は「関は関でも、あなたに逢いたい逢坂の関ですよ」と弁解します。そこで「鶏の鳴き真似でごまかそうとも、この逢坂の関は絶対開きませんよ(あなたには絶対逢ってあげませんよ)」と返しました。

というのが、五七五七七の和歌でやりとりされています。二人とも知識人なのでおしゃれに会話をしていますが、現代でも通じるような男女の修羅場だなと感じました(笑)

技術や情報は発展しているのに、人間はそこまで変わっていないのなと思わせてくれるエピソードで、こういった話を聞いているとこの情報化社会で焦る気持ちが少し和らぐ気がするのは私だけでしょうか。